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不動産AI査定を使った仕入れ判断の5ステップ

💬 自己紹介

不動産AI査定システムの企画・販売に携わるサラリーマン大家
自分でも戸建て投資を実践中。
日々、AI査定を使った物件比較・収益分析を行いながら、現場での“使える判断基準”を研究しています。


はじめに:AI査定を「判断の入り口」にする

前回の記事でお伝えした通り、AI査定は「魔法のツールではありません」。
しかし、数ある物件の中から“当たり”と“外れ”を瞬時にふるい分けるための、強力な入口になります。

不動産投資は「安く買う」だけではなく、「正しく選ぶ」ことが重要です。
AI査定をうまく活用することで、限られた時間の中で効率的に“見るべき物件”を絞り込むことができます。

この記事では、AI査定を使って「買っていい物件かどうか」を判断するまでの5ステップを、実際の流れに沿って解説します。

 AI査定をうまく使う人は、「すぐ買うため」ではなく、「検討の優先順位をつけるため」に使っています。
感覚で“良さそう”を選ぶより、データをベースに取捨選択する方が圧倒的に効率的です。


STEP1:まずはAI査定で「相場の地図」をつかむ

最初のステップは、AI査定で対象エリアの相場観をざっくりつかむことです。
賃料・利回り・坪単価などをチェックし、
このエリアでこの築年ならだいたいこれくらい」という基準を頭に入れましょう。

例:

  • 築20年・駅徒歩10分・RCマンション → 坪単価◯万円前後
  • 築30年・木造アパート → 表面利回り8〜9%が相場

ここでは“正確な数字”よりも、“おおまかな地形”を掴むイメージが大切です。
まずは地図アプリで目的地を確認するように、AI査定で相場の全体像を把握します。

 私はAI査定を「地図アプリ」のように使っています。
まずは地形(相場)を知ることから。目的地(仕入れ判断)はそのあとです。
AI査定の地図が頭にあると、現場で見る物件が“点”から“面”に変わります。


STEP2:査定額と販売価格を比較し「乖離幅」を見る

次に行うのは、AI査定の価格と実際の販売価格を比較することです。
AI査定より1〜2割安ければ“割安の可能性あり”
逆に高ければ、「人気」「立地」「再建築性」など“理由”を探るのがポイントです。

チェックポイント

  • AI査定:2,800万円
  • 実際の販売価格:3,200万円
    差額400万円(約14%)の理由を分析

単に「高い・安い」で判断するのではなく、“なぜそうなっているのか”を仮説化することが重要です。
人気エリアだから高いのか、リフォーム済みだから高いのか。
AI査定の数字を「考えるきっかけ」に使いましょう。

💬 筆者コメント

「AI査定では2,800万円なのに、販売価格は3,200万円」──この差には必ず理由があります。
その“理由を探る癖”をつけると、物件を見る目が一気に育ちます。
AIはヒントをくれるだけ。答えは自分で導き出すものです。


STEP3:周辺事例をチェックして“感覚のズレ”を修正

AI査定の数値を鵜呑みにしないことも大切です。
AIが出す価格は「平均的な相場値」であり、ピンポイントな個別要素(駅距離・階数・眺望・リフォーム状態など)は反映されにくいからです。

チェック方法

  • ポータルサイトで同条件の賃料を検索
  • 近隣の築年・構造・階数を比較
  • 地価や周辺環境の違いを確認

こうして複数のデータを横並びで見ることで、AIが出した数値の「ズレ」を補正できます。

私はこの工程を「感覚のキャリブレーション」と呼んでいます。
AIが出した数字を自分の感覚と照らし合わせる工程。
この往復を続けると、AIの精度と自分の相場観がシンクロしていきます。
最終的には、「AI査定が言うことが感覚的にも納得できる」状態になります。


STEP4:収益シミュレーションで「買えるかどうか」を検証

AI査定で家賃や相場を把握したら、次は収益シミュレーションに落とし込む段階です。
家賃相場・販売価格・金利・自己資金を入力し、
「表面利回り」「実質利回り」「キャッシュフロー」を試算しましょう。

たとえば:

  • 家賃:8万円
  • 購入価格:1,500万円
  • 金利:1.5%
  • 自己資金:300万円

この条件で月のキャッシュフローがどれくらい残るかをシミュレーションします。
AI査定が“理論値”を出し、シミュレーションが“現実値”を確認する。
この2段階を踏むことで、感覚ではなく“数字で裏付けられた意思決定”が可能になります。

 AI査定の数字を机上の理論値(マップ)
シミュレーションを現実のルート(実地検証)と捉えると分かりやすいです。
どちらか一方ではなく、両輪で動かすことが投資判断の精度を高めるコツです。


STEP5:最終判断は「数字+現地」で決める

最後のステップは、AI査定やシミュレーションの“数字だけで決めない”こと。
現地を実際に訪れ、
「数字に表れない情報」を自分の目で確かめましょう。

現地チェックポイント

  • 通りの明るさ・人通り
  • 周辺の治安・商業施設の距離
  • 近隣物件の状態・入居者層
  • 騒音・匂い・水はけなど生活環境

💬 筆者コメント

 たとえば「AI査定では高評価なのに、現地が暗くて人通りが少ない」──
そういう違和感を見逃さないことが大切です。
AIはデータで“平均”を出す。
人は現場で“空気”を読む。
この掛け算が、失敗しない投資判断につながります。


まとめ:AI査定を“答え”ではなく“ナビ”として使う

AI査定は、投資判断を助ける「羅針盤」です。
数字を鵜呑みにするのではなく、「なぜその数字なのか」を考える習慣こそが、不動産投資の基礎体力を育てます。

5ステップの振り返り

  1. 相場を把握する(地図を広げる)
  2. 乖離幅を見る(違和感を見つける)
  3. 周辺事例で裏付ける(自分の感覚を補正)
  4. シミュレーションで現実化する(数字に落とす)
  5. 現地で確かめる(最終判断を下す)

この5ステップを回すことで、AI査定が“単なる数値”から“投資判断ツール”に変わります。

 AI査定は、あくまでスタートラインです。
数字 → 仮説 → 現地 → 納得」のプロセスを繰り返すことで、
不動産投資の“目利き力”が確実に上がっていきます。
AIの数字と現場の感覚、両方を行き来できる投資家が、最終的に勝ち続ける人です。


次回予告

次回は、「AI査定と人の査定をどう使い分けるか?」をテーマに解説します。
どちらが正しいかではなく、どう組み合わせると最強になるか
現場での実例も交えて、“AI+人”のハイブリッド査定術を紹介します。

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