💬 自己紹介

不動産AI査定システムの企画・販売に携わるサラリーマン大家。
自らも戸建て投資を実践し、毎日のようにAI査定のデータを検証。
「買う時も売る時も、感覚ではなくデータで判断する」をモットーにしている。
Contents
はじめに:出口戦略の9割は「タイミング」で決まる
どれだけ良い物件でも、売り時を誤るだけで利益が半減する。
逆に、少し弱い物件でもタイミングが良ければしっかり利益が出る──。
これが不動産投資の現実です。
しかし、売り時の判断は簡単ではありません。
- 市場相場の動き
- 金利・金融政策
- 周辺需給の変化
- リフォーム後の価値変動
- 賃料の上昇/下落
これらを「総合的に判断する」必要があるため、人の感覚だけではどうしてもブレが出ます。
そこで役立つのが AI査定 です。
AI査定を活用すると、相場の“現在地”と“変化”が数字で見えるため、出口判断の精度が飛躍的に高まります。

“いつ売るか”は不動産投資の最難関。でも、AI査定で「今この物件が市場からどう評価されているか」を客観的に見られると、出口戦略が一気にクリアになります。
STEP1:まずは「現在価値」を把握する(最初の基準づくり)
最初にやるべきことは AI査定で自分の物件の“現在価値”を知ること です。
現在価値とは、簡単に言うと、
「いま売ったら、いくらで売れそうか?」
という数字のこと。
購入したときの価格や当時の相場より、現在価値は大きく変動していることが多く、
- 市場全体が上がっているタイミング
- 自分が持っているタイプの物件だけ上昇している
- 逆に自分の地域だけ下落している
といった傾向が数字から見えてきます。
チェックすべき3つの基準
① AI査定額(=現在価値)
現時点の市場での評価額。
「査定額 > 残債」なら売却を検討する価値が出てくる。
② ローン残債
売却後にいくら手元に残るかが分かる。
手残りがマイナスなら“売り時ではない”ことが多い。
③ 賃料水準(利回り)
賃料が下がっているなら出口を少し意識するタイミング。
逆に満室+賃料安定なら保有継続が合理的。
💬 筆者コメント

私は半年に1回、自分の所有物件を必ずAI査定にかけています。
「今売ったらいくら?」を常に把握しておくと、出口判断がぶれません。
特に、複数物件を保有している場合は“持ち続けるべき物件”と“手放すべき物件”の整理に非常に役立ちます。
STEP2:AI査定の推移で“相場トレンド”を読む(線で判断する)
AI査定の本当の強みは、「今の価格」より「価格推移」 にあります。
1回の査定額だけでは判断材料として弱いですが、
半年〜1年単位で履歴を残しておくと、次のような“相場の動き”が見えてきます。
AI査定で読み取れるトレンド例
- 1年前より査定額が+5%
→ 売却チャンスが徐々に近づいている - 半年で−3%
→ 市場が弱気に転じたサイン。売却を検討すべきタイミング - 横ばいが1年以上続く
→ 家賃収入(インカム)重視で保有継続が合理的
不動産は株のような日次変動はしないため、ゆるやかなトレンドがそのまま未来にもつながりやすいのが特徴。
だからこそ、AI査定は「点」ではなく「線」で使うべきなのです。

AI査定の履歴を残しておくと、「この1年で市場がどう動いたか」がひと目でわかります。売却判断の精度が“倍以上”に跳ね上がるので、本当におすすめです。
STEP3:利回り × キャピタルゲインのバランスを整理する
出口戦略を考える上で必ず押さえておきたい考え方が、
「インカム(賃料収入)を取るか、キャピタル(売却益)を取るか」
という発想です。
毎月のキャッシュフローを重視するのか、
売却益を確定させて資金を次に回すのか──。
AI査定は、この判断に強く役立ちます。
判断の目安(わかりやすい3パターン)
| 状況 | 判断の方向性 |
|---|---|
| 賃料下落 + AI査定額上昇 | 売却チャンス(出口で利益確定) |
| 賃料安定 + AI査定横ばい | 保有継続(インカム重視) |
| 賃料下落 + AI査定下落 | 早期売却(損失拡大前の撤退) |
インカムとキャピタルの両方が弱っているケースは“早期撤退”を検討すべきサインです。

私はよく 「インカム × キャピタルの関係が崩れたら出口を検討する」 という言い方をしています。
AI査定は、このバランスを数字で確認できる最高のツールです。
STEP4:AI査定をもとに“売却シミュレーション”を行う
AI査定は、出口戦略の“入り口”です。
最終判断は 手残り額(=現金いくら残るか) で決める必要があります。
売却シミュレーションで使う項目
- 売却想定価格(AI査定額)
- 残債
- 仲介手数料(3%+6万円)
- 譲渡所得税(短期/長期)
- リフォーム費用や解体費用の有無
- 売却活動にかかる期間コスト
これらをすべて計算し、最終的に
「売った後に手元にいくら残るのか?」
を可視化します。
手残り額が少ないなら
・保有継続し、家賃で残債を減らす
・軽リフォームで価値を上げる
・もう数年待って相場が回復するのを待つ
など、複数の戦略も選べます。

私は出口判断を“手残り基準”で行っています。
AI査定はあくまで入口。出口は「数字+戦略」で決めるのが投資の本質です。
STEP5:AI査定を「相場交渉の根拠」として使う(交渉力UP)
売却の現場では、買主・仲介会社と価格の駆け引きがあります。
その際にAI査定を提示すると、
- 価格の妥当性を説明しやすくなる
- 感覚ではなく“根拠のある”主張ができる
- 買主が提示した低い価格を跳ね返しやすい
- 複数AI査定の中央値を提示しやすい
という大きな利点があります。
特に最近は、買主側もAI査定を事前にチェックしてくるため、
売主も“データで語れる準備”をしておくのが新しい常識になりつつあります。

AI査定は“武器”になります。
感覚ではなく、「データで価格を説明できる売主」は圧倒的に強いです。
まとめ:AI査定は“売り時をデータ化するツール”
AI査定の本質は、
「今いくらで売れる?」ではなく、
「いつ売るべきか?」を判断するための羅針盤になること。
出口戦略を成功させるために、以下の習慣を持つことが重要です。
✅ 出口判断のためのAI査定・3つの習慣
- 半年に1回はAI査定で現在価値を確認する
- 価格推移を記録し、市場トレンドを読む
- 売却と保有の判断をデータで裏付ける

“売り時”を感覚ではなくデータで判断できるようになると、不動産投資のリスクは大幅に減ります。
AI査定を使いこなすことこそ、出口戦略の第一歩です。
次回予告
次回はシリーズ最終回、
「AI査定を活かした“投資ポートフォリオ管理”」 を解説します。
複数物件を持つ投資家が、どのようにAI査定を活用して全体最適を図るのか──
収益の可視化 × 判断の仕組み化 をテーマにお届けします。
