リゾートマンションと聞いて、どんなイメージを持ちますか?
資産家が休暇のため、リゾート地や温泉地に別荘を購入したり、週末だけ利用したり、なんだかお金持ちでしか買えないと思っていませんか?
「温泉付きマンション」、「海が一望できるオーシャンビューマンション」など、このようなリゾートマンションが現在、どれくらいで取引されているかご存知でしょうか。
「中古物件でも数千万円以上? さすがに安くても数百万円以上はするよね・・・?」
いえ、違います。
数百万円台でたくさん市場に出回っているのです。
もっと安ければ、数十万円台でも購入できるのです。さらには、タダでもいいから手放したいという物件まであるくらいです。数十万円台で買えるなら、現金で買って、週末だけ利用しようかなと思った方、まずは、なぜ、こんな値段で購入できるのか、調べてから購入しましょう!
インターネットで「リゾートマンション」と検索すると、「後悔」、「買ってはいけない」など、ネガティブなワードがヒットします。リゾートマンションがなぜ、購入すると後悔するのか、なぜ、買ってはいけないのか。
実際に、販売されているリゾートマンションを不動産投資物件として購入する『投資目的』と自分が利用する『住む目的』の2つの視点で分析を行いました。
先に結論から申しますと、
物件の管理状況次第だが、老後、リゾート地でゆったり過ごしたい目的で購入したい方にはオススメだが、若い方は投資目的、住む目的どちらもオススメできない。
その理由をここから解説していきますので、是非、読んでくださいね。

20代から不動産投資を始め、現在はサラリーマン大家として不動産関連のブログを掲載しています。また、本業は不動産業者向けにシステム開発&営業をしているので、不動産業界にも詳しいです!
Contents
有馬温泉駅のリゾートマンションで分析してみた(物件について)
価格 | 620万円 |
---|---|
所在地 | 兵庫県神戸市北区有馬町 |
交通 | 神戸電鉄有馬線 「有馬温泉」駅 徒歩3分 |
間取り | 2LDK |
専有面積 | 54.0m2(壁芯) |
投資用現況 | 賃借人あり(オーナーチェンジ) |
築年月 | 2009年11月(築13年) |
主要採光面 | 東 |
所在階/階建 | 1階 / 地上8階建 |
総戸数 | 225戸 |
今回の物件は、草津温泉、下呂温泉と並び日本三名湯のひとつに数えられる「有馬温泉」駅から徒歩3分の分譲マンション。大阪駅から高速バスで1時間とアクセスが良いため、週末だけ利用するリゾートマンションとして購入を検討してみました。
駅近、築13年、50㎡のファミリーマンションの価格が、なんと620万円!
そうなのです、別に金持ちではなくても十分購入できますよね。しかし、落とし穴があるんです。

ここからは、不動産投資物件として「投資目的」で購入した場合と自分が週末利用する物件として「住む目的」の2つ視点で解説します!
『投資目的』、『住む目的』それぞれの視点で分析してみた結果

自分で住む(利用する)ために購入する、両親や子など親族の住まい用に購入する、投資として購入するなど、購入目的は様々あります。
今回は、大きく2つに分け、それぞれの目的の視点から数字を使って分析しました。
- 不動産投資物件として「投資目的」で購入する場合
- 自分で住む(利用する)物件として購入する場合
不動産投資物件として「投資目的」で購入する場合
ずばり、結論から申しますと、投資目的で購入することはオススメできません。
理由として、3点
- 表面利回りは高いが、運営費が高く実質利回りが低い
- 空室リスク(温泉街に住むたい人がどれくらいいるのか)
- 売却リスク(次の買い手がすぐに見つかるか不安)

ここから、理由1つずつ解説しますね!
表面利回りとは、物件価格に対してどの程度の家賃収入が得られるかという表面的な収益性を表す数値と言われています。当物件の場合、物件価格620万円に対して、年間家賃収入が121万円のため、表面利回りは21.29%になります。
表面利回りだけ見ると20%もあるため、他の投資商品に比べても高利回りと言えますが、実際に購入し運営すると、固定費(運営費)や空室リスクがあるため、表面利回りより実際の利回りは低くなります。
当物件の運営コストは、管理費47,000円、修繕積立金13,700円、さらに固定資産税なども発生するため、実質利回りで計算した場合、約1.5%くらいになってしまうのです。
※実質利回り=(年間家賃収入ー空室リスクー運営費)÷物件価格

投資目的で購入するには、実質利回り1.5%は低すぎるので、あえてこの物件を投資として購入するのはオススメしないですね・・・。
不動産投資のリスクの1つに「空室リスク」があります。
空室リスクとは、所有物件が空室になり家賃収入を得られなくなってしまうリスクのことをいいます。 不動産投資は所有物件を貸し出して入居者から家賃を回収して収入を得る仕組みですから、収入源は「家賃収入」です。 そのため、空室率が高かったり、空室期間が長引いてしまったりすると、賃貸経営が苦しくなってしまう可能性が高まります。
リゾートマンションの立地の特性的に、居住エリアとしては需要がないケースが多いです。
退去後、次の入居者が決まるまで、どれくらいの空室期間になるか、読みにくいため、投資物件として購入するには、難しい物件といえます。

投資目的で購入するには、空室リスクが読みにくいため、手を出しにくいですね。仮に現金で購入したとしても、空室率15%以上でキャッシュフローは赤字になる予想です。
不動産投資のリスクの1つに「売却したくても売却できないリスク」があります。
不動産の売却は相手がいて初めて成立する取引なので、当然のことながら、買い手が見つからなければ、売却資金を得ることはできません。不動産の売却には、思ったようなタイミングや価格で売れない場合もあると理解しておくことが大切です。
空室リスクと同様に、リゾートマンションは一般的な物件と異なり、特殊性があるため、購入したいニーズ(需要)は少なく、売却リスク高いと言われています。そのため、物件によってはタダでも手放したい人もいてるのです。

投資目的で購入するには、売りたいときにすぐに売れるような人気のある物件が理想とされています。売れなければ、徐々に価格を下げなければ、売れないため、結果的に資産価値が下がってしまうのです。そのため、ニーズが読みにくい、リゾートマンションを投資目的で購入するのはあまりオススメできないのです。
自分で住む(利用する)物件として購入する場合
ずばり、結論から申しますと、住む目的で購入することもオススメできません。
理由として、3点
- 運営費(維持費)が高い
- 周辺にスーパーマーケットなど、日用品を買い物する場所がない
- 賃貸で借りる、または年に数回旅館に宿泊した方が満足度が高い

ここから、理由1つずつ解説しますね!
リゾートマンションの中には、共用部分に温泉施設やジム、ラウンジなど、一般的なマンションにはない豪華な設備が設けられていることがあります。
当物件の場合、天然温泉(金泉・銀泉)が設置されています。
金泉・銀泉という2種類のお湯がある有馬温泉。金泉は鉄分と塩分を含み、赤茶色でとろりと濁った泉質が特徴。保温や美肌に効果ありだとか。一方、銀泉は炭酸を含んだ温泉と、ラドン泉を含む放射能泉の2つあり、どちらも無色透明のさらりとしたお湯。体を芯から温め活性化させてくれそうです。
旅色 有馬温泉の魅力より引用
温泉があるマンションって最高!と思いますが、その分、管理費や修繕費に大きく影響します。当物件の運営コストは、管理費 月々47,000円、修繕積立金 月々13,700円、さらに固定資産税 年間約15万円。保有するだけで、年間約90万円も維持費が発生します。

温泉付きマンションって、とても響きはいいですが、維持費だけで年間90万円。さらに、温泉を常に綺麗な状態を維持するためにメンテナンスが必要になります。修繕リスクを考えると今後、運営コストは増えていくため、週末利用や住む目的のために、購入すると後悔する可能性があります。
有馬温泉は温泉街のため、旅館やお土産屋はたくさんありますが、食料品や日用品など、スーパーが近くにありません。一番近くのスーパー(イオン藤原台店)まで、約5キロ、車で10分もかかります。
また、有馬温泉で生活するには車が必須になるため、物件維持費とは別に車の維持費も発生するため、本当に住む場合は生活圏にスーパーや病院など、市場調査しましょう。
当物件を賃貸で借りる場合、月に10~11万円ほどかかります。
現金で購入した場合、年間運営費約90万円のため、数字上では賃貸で借りるより現金で購入した方が安いですが、売却リスクや修繕リスク(運営コストの上昇)を考えると、賃貸で借りる方が総合的に考えると良いと思います。
購入や賃貸で住んだ場合、はじめの1ヶ月くらいは、非日常感を味わえて満足するかもしれませんが、そのうち日常となり、飽きてしまいそうなので、個人的には、同じ費用を掛けるなら、年に数回、有馬温泉に旅行する方が満足度は高いでしょう。
この物件が気になる方はお問い合わせしましょう!
記事掲載日:2022年5月15日現在
今回の物件は数字だけで判断すると、若い方にとっては、投資目的、住む目的ともにオススメできませんという結果になりました。
しかし、老後を豊かに温泉地でゆっくり過ごしたい、有馬にいい思い出ある、家族を物件に呼んで喜ばしたいなど、数字だけでは計れない購入価値ももちろんあると思いますので、興味ある方は一度お問い合わせください。
もし、気になる場合は、まずは物件資料を要請しましょう。ローン条件によって購入することができない場合もございますので、ローンの相談など含め、お問い合わせください。
今回は「Yahoo不動産」にいきます。



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- リゾートマンション
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- 1000万円以下

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