今回は、多くの方から相談を受ける「ワンルームマンション投資とアパート投資、どちらを選ぶべき?」という疑問について、徹底的に解説していきます。
- ワンルームマンション投資 とアパート投資の違い
- 初期投資額の違い
- 資産価値の維持コストの違い
- 収益性とリスクを比較について
- 節税効果について
20代から不動産投資を始め、現在はサラリーマン大家として不動産関連のブログを掲載しています。また、本業は不動産業者向けにシステム開発&営業をしているので、不動産業界にも詳しいです!
Contents
1. それぞれの投資方法の基本とは?
不動産投資を始めようと考えたとき、まず悩むのが投資方法の選択です。ワンルームマンション投資とアパート投資は、どちらも人気の投資方法ですが、その特徴は大きく異なります。
ワンルームマンション投資は、マンションの一室を購入して賃貸収入を得る方法です。例えば、都心の駅近物件で、若手社会人や学生向けに賃貸するケースが多く見られます。一方、アパート投資は、建物全体と土地を所有し、複数の部屋からの賃貸収入を得る方法です。ファミリー向けの2LDKや、社会人向けの1Kなど、様々なタイプの部屋を組み合わせることができます。
特に初心者の方には、管理のしやすさからワンルームマンション投資をお勧めしていますが、それぞれの特徴をしっかり理解することが重要です。
2. 気になる初期投資額の違い
「不動産投資を始めたいけど、いくらくらい用意すればいいの?」これも頻繁に受ける質問の一つです。
中古のワンルームマンション投資の場合、物件価格は数百万円から2,000万円程度で、頭金は物件価格の10%程度が一般的です。例えば、1,500万円のワンルームマンションを購入する場合、頭金は150万円程度で始められます。都心部の物件でも、比較的手の届きやすい金額設定となっています。
一方、アパート投資は、土地と建物すべてを購入するため、初期投資額は5,000万円から1億円以上と高額になります。頭金も10~30%程度が求められるため、例えば6,000万円のアパートを購入する場合、1,800万円程度の頭金が必要です。このため、アパート投資は、ある程度の資金力がある方や、不動産投資での経験を積んだ方に向いています。
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将来の資産価値について考えることは、長期的な投資戦略を立てる上で非常に重要です。
ワンルームマンションの場合、建物の価値は年々減少していきます。新築で購入しても、20年後には当初の価値の20~30%程度まで下がることも珍しくありません。また、土地の共有持分も少額なため、土地の価値上昇による恩恵も限定的です。ただし、都心部の優良物件であれば、賃料収入の安定性で、この価値の低下をカバーすることも可能です。
アパート投資では、建物の価値は同様に減少しますが、土地を所有している点が大きな違いです。特に都市部や発展が期待できるエリアでは、土地の価値が維持または上昇する可能性があります。また、建物の建て替えによって資産価値を回復させることも可能です。相続対策としても有効で、次世代への資産継承を考えている方には魅力的な選択肢となります。
4. 運営管理の手間とコストを検討する
不動産投資を始める際、見落としがちなのが管理の手間とコストです。この違いは、投資の成否を分ける重要なポイントとなります。
ワンルームマンション投資では、通常、管理会社による一括管理が一般的です。月々の管理費と修繕積立金を支払えば、入居者の募集から建物の維持管理まで、ほとんどの業務を任せることができます。例えば、月々の管理費が1万円程度、修繕積立金が5,000円程度で、トラブル対応やメンテナンスもプロが対応してくれます。そのため、本業が忙しい会社員の方でも、副業として始めやすい特徴があります。
アパート投資の場合、オーナーとしての管理負担が大きくなります。複数の部屋を持つため、入居者の入れ替わりも頻繁で、建物全体の修繕やメンテナンスの判断も必要です。例えば、空室が出たときの募集活動や、定期的な設備の点検、外壁の塗り替えなど、決断と手間が必要な業務が増えます。専門の管理会社に委託することもできますが、その分コストも上がります。
5. 収益性とリスクを比較する
投資である以上、収益性とリスクのバランスは極めて重要です。両者には、特徴的な違いがあります。
ワンルームマンション投資の場合、表面利回りは通常5~7%程度です。例えば、1,500万円の物件で、月額家賃7万円とすると、年間84万円の収入となり、表面利回りは5.6%となります。ただし、一室のみの投資なので、空室になると収入がゼロになってしまうリスクがあります。また、一人の入居者に依存するため、家賃滞納などのリスクも集中します。
アパート投資では、表面利回りは7~10%程度と比較的高くなります。複数の部屋があるため、一部屋が空室になっても他の部屋からの収入で補うことができます。例えば、6室のアパートで1室が空室になっても、残りの5室分の家賃収入は継続します。ただし、建物全体の維持管理コストや、大規模修繕の費用なども考慮する必要があります。
6. お得な節税効果の違い
不動産投資の魅力の一つが節税効果です。両者には、異なる特徴があり、税務戦略にも影響を与えます。
ワンルームマンション投資では、建物価値への投資割合が大きいため、減価償却による節税効果が大きくなります。新築物件の場合、年間の減価償却費は建物価格の約4%程度で、この分を経費として計上できます。例えば、建物価格1,000万円の物件なら、年間40万円程度の経費計上が可能です。また、管理費や修繕積立金なども経費となり、節税効果を得やすい構造となっています。
アパート投資の場合、土地と建物の減価償却の違いを理解する必要があります。土地は減価償却の対象とならず、建物部分のみが対象となります。ただし、修繕費用や改装費用なども経費として計上でき、規模が大きい分、金額も大きくなります。税務処理は複雑になりますが、専門家のアドバイスを受けることで、効果的な節税策を立てることが可能です。
7. あなたに合った投資方法は?
ここまで見てきた特徴を踏まえ、それぞれの投資方法に向いている投資家タイプをまとめてみましょう。
項目 | ワンルームマンション | アパート |
---|---|---|
初期投資額 | 低い(数百万円~) | 高い(5,000万円~) |
管理の手間 | 少ない | 多い |
リスク分散 | 難しい | 可能 |
節税効果 | 大きい | やや小さい |
資産価値 | 減少傾向 | 土地価値維持 |
初心者向け | ★★★★★ | ★★★ |
経験者向け | ★★★ | ★★★★★ |
ワンルームマンション投資は、不動産投資初心者や、副業として投資を考えている方に特におすすめです。管理の手間が少なく、比較的少額から始められるため、投資の基礎を学ぶのに適しています。また、節税効果を重視する会社員の方や、時間的な制約が多い方にも向いています。都心部の需要が安定している地域であれば、安定的な収入を期待できます。
一方、アパート投資は、不動産投資の経験がある方や、本格的に不動産経営に取り組める方に向いています。土地活用や相続対策を考えている地主の方、より大きな収益を目指す投資家の方にもおすすめです。ただし、物件の選定から維持管理まで、専門的な知識と十分な時間が必要となります。
不動産投資を成功させるためには、自分の状況や目的に合った投資方法を選ぶことが重要です。特に考慮すべきポイントは以下の5つです:
- 現在投資可能な資金額
- 運用に割ける時間
- 目標とする収益率
- 許容できるリスクの程度
- 長期的な資産形成計画
初心者の方には、まずワンルームマンション投資から始めて、経験を積みながらアパート投資へステップアップしていく方法をおすすめしています。どちらの投資方法を選ぶにしても、必ず専門家に相談し、十分な調査と計画を立ててから始めることが成功への近道となります。
今回はワンルームマンション投資 とアパート投資の違いについて紹介しました。少しでも参考になりましたら、幸いです。