世の中のワンルームマンション投資の印象はあまり良くないようですね。
「ワンルームマンション投資」と検索すると、次に出てくるキーワードがなぜかネガティブなワードばかりなんですよね・・・。
例えば、ワンルームマンション投資 ○○
- 失敗
- 詐欺
- 迷惑電話
などなど。
※もちろんポジティブワードもありますけどね!
ネガティブなワードが検索されているってことは実際に失敗している方や詐欺にあった方、営業電話で迷惑されている方などたくさんいると思います。私の知り合いにも失敗した方がいるので・・・。
今回はこの中から「詐欺」について、掘る下げてお話したいと思います。朝の情報番組「ビビット」で紹介されました、デート商法にあってマンションを購入した被害のお話です。画像引用:ビビット
Contents
マンション詐欺 デート商法とは
婚活やデート商法など恋愛感情を巧みに活用した不動産投資詐欺の手口はあとを絶ちません。
被害者にとっては不動産投資詐欺と結婚詐欺の二重苦で、経済的にも精神的にも追い込まれてしまいます。
デート商法の手口は婚活サイトなどで知り合った異性と何度かデートをして、恋愛感情が湧きたってきた頃合いで投資用マンションの購入を勧められ、断り切れずに購入してしまうというのが典型的なケースです。
もし、買ってしまった場合の対処法
不動産取引には引き渡しまでに大きく4つの流れがあります。
- 買い付け承諾書を提出(購入希望意思表示)
- 不動産売買契約を締結する
- 銀行とローン契約を行う(金銭消費契約)
- 物件の引き渡しを行う
どの時点で詐欺に気づくことができるかによって、対処法が大きく異なります。
1.買い付け承諾書を提出(購入希望意思表示)
まず、この時点で詐欺に気づことができればベストです!
買い付け承諾書とは不動産の売買において買い受け希望者が当該物件を買い受ける意思があることを表明する書面のことをいいます。
民法の原則によると、契約は当事者間の申込みと承諾により成立するものとされていますが、このような買付証明書や売渡証明書には原則として契約の申込みや承諾の効力は認められず、その後、売買契約の締結に至らなかったとしても、当事者双方は相手方に対して売買契約に基づく義務(不動産の引渡義務や売買代金の支払義務等)を負いません。
参照:シティユーワ法律事務所 ホームページより
簡単に言えば、買い付け承諾書を提出しても全く法的に効力がないということです。この時点で気付ければ不動産会社に「買いません!」と言えばいいだけなのです。
2.不動産売買契約を締結する
次に売買契約を締結してしまった後に気づいた場合
ここで注意することは「いつどこで誰と契約を行ったか」によっても対処法が異なります。
消費者を守るため、「クーリング・オフ制度」があります。
クーリング・オフ制度とはクーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。
クーリング・オフ制度を利用できる条件に当てはまれば、対処はまだ簡単です!
では、クーリング・オフ期間を過ぎてしまった場合や事務所で契約をしてそもそも利用できない場合では対処できないのでしょうか。
ご安心ください!
まだこの時点では被害なく、対処可能です!
2019年6月に新法が改正され、デート商法による契約を取り消すことができる条項が盛り込まれました。
当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、当該勧誘を行う者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻することになる旨を告げること。(引用元:消費者庁)
ただし、まだ事例が少ないためスムーズに行かない可能性が十分にあります。
もし、本当に被害にあった方は弁護士に依頼しましょう。
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3.銀行とローン契約を行う(金銭消費契約)
なぜ、わざわざ「銀行とローン契約を行う」ことを書いているのか、疑問に思いませんか?
26大家
実はここが重要なんです。
不動産の売買契約と銀行とのローン契約(金銭消費契約)は別の契約なのです。そのため、不動産の売買契約を解除しても、ローン契約をなかったことにはできません。
26大家
ローン契約を解除する方法はいくつかありますので、しっかりと事前に確認しましょう!
例えば、売買契約時にローン特約を設ける。
「もし、希望の条件でローンが承認しなかった場合、白紙解約できるものとする。」
4.物件の引き渡しを行う
もうお気付きかと思いますが、一番対処しにくいのは「物件の引き渡し」を行った後になります。
引き渡し後に気づいてしまった場合、契約自体を無効にすることは難しいようです。
過去の判例には、加害者に対して損害賠償を請求したケースはあります。
東京地裁は加害者Bによる勧誘行為を「言葉巧みに被害者Aの恋愛感情及び信頼感を醸成させたうえで、原告の意図に合致するものではない購入契約に至らせるもの」で、「社会的な相当性を欠く違法なものとして、不法行為と認めることができる」と指摘。Aの訴え(損害賠償請求額:110万円)の大部分を認め、Bに対して約90万円と、全額ではないものの損害賠償の支払いを命じている。
相場価格より不当に高く不動産を買わされた損害賠償額が90万円となかなか納得いく金額ではないですよね。
ビビットで放映された事例では不動産会社に対して契約解除の訴訟を行い、不動産契約は解除できたようです。
しかし、銀行のローン契約は解除できなかったようです。
リアルタイムで見ててもよくわからなかったのですが、売買契約は解除できたということはこの物件の所有者は被害者ではなく、不動産会社が所有しているってことですよね?
それなのに、なぜローンだけ有効で返済をしなければならないのか、正直疑問です。
法律的には不動産の売買契約とローンの契約が連動しておらず、別の契約行為ということで解除ができないようです。
おそらくこのケースでは一度、被害者に移った物件(所有権)を不動産会社が購入金額で買い戻したと思います。そこから被害者(債務者)が銀行にローンを一括返済(完済)したのではないかと推測します。
そうでなければ、悲惨すぎますよね。
デート商法で買わされた被害者の悲惨な結末
- 不動産投資詐欺と結婚詐欺の二重苦で、経済的にも精神的にも追い込まれた
- 不動産売買契約は解除できたが、ローン契約は解除出来なかった