この記事では「こんな不動産投資をするならやめとけ!」と思わず、言いたくなるような典型的な失敗投資法(区分マンション)を3つご紹介します。
もし、親族や友人から「この物件どう思う?」とか「不動産投資に興味があって、○○会社から紹介されたけど、買っても大丈夫?」と相談されたとき、自分ならどう答えるか想像しながら、この記事を書きました。
- これから物件を購入しようと動いている方
- 自分の購入した物件が失敗していないか心配な方
- 身近に購入を悩んでいる方にアドバイスをしたい方
20代から不動産投資を始め、現在はサラリーマン大家として不動産関連のブログを掲載しています。また、本業は不動産業者向けにシステム開発&営業をしているので、不動産業界にも詳しいです!
先に結論からお伝えしますと、下記のような投資をすると失敗します!
- 新築ワンルームマンションを「投資目的」で購入した
- 利益たっぷり乗っている中古ワンルームマンションを「投資目的」購入した
- 300万円以下の築古ワンルームマンションを「年金対策」で購入した
気になる方は、是非このまま読んでくださいね。
Contents
典型的な失敗投資法3つ
- 新築ワンルームマンションを「投資目的」で購入した
- 利益たっぷり乗っている中古ワンルームマンションを「投資目的」購入した
- 300万円以下の築古ワンルームマンションを「年金対策」で購入した
新築ワンルームマンション投資は買ってはいけないと、一括りで否定している本やブログなどありますが、私は目的や目標が人それぞれによって違うので、一括りに否定するのではなく、こういう物件をこういう目的で購入する場合は、ここを注意しないと危険ですよ!という考えをしています。
改めて、皆さんにもう一度考えて頂きたいのですが、「なぜ、不動産投資をするのか」、不動産投資は手段であって、目的は人それぞれにあります。
この記事での「失敗」とは、目的を達成できない投資のことを指します。
では、3つの失敗事例を解説付きでご紹介します。
失敗事例1 新築ワンルームマンションを「投資目的」で購入した
新築ワンルームマンションを投資目的で購入すると確実に儲かりません!
むしろ、損します。
儲かる、儲からないの判断材料として、IRR(内部収益率)を利用します。
IRR(Internal Rate of Return:内部収益率・内部利益率)とは、「投資から得られる将来のキャッシュフローの現在価値」と「投資額の現在価値」が等しくなるときの割引率です。
IRRは投資資金を回収するまでの期間を考慮することで、もっとも収益率の高い投資案件を見極めることができます。「限られた資金をどこに投下すべきか?」を知ることができる、とても便利な指標です。
不動産投資以外にもたくさんの投資手法があります。
例えば、株式投資やFX、仮想通貨投資など、他にもたくさん投資商品があります。
IRRの特徴として、投資商品が異なるものでも比較ができる点です。そのため、投資商品として、新築ワンルーム投資をすると、高確率でIRRがマイナスとなってしまいます。
それであれば、仮に手元にある100万円を新築ワンルーム投資の購入費に使用せず、株式投資などIRRがプラスになる投資商品購入する方が良かったと後悔するのです。
- 販売価格がそもそも高すぎる(表面利回りが低すぎる)
- 業者利益や広告宣伝費が価格に足されているため、すぐに売却しても購入価格よりガクッと下がってしまう。
- 購入時(新築)が1番資産価値が高く、資産価値は下がり続ける。
- 初年度の家賃は新築プレミア賃料で1番高く、家賃は下がり続ける。
- 築10年以降、設備不良や空室率が上昇し、初年度が1番儲かるのにその時点で毎月赤字の場合、かなり運用が厳しい。
もし、友人が新築ワンルーム投資をしたいと言うならば、まず投資として購入するのは「やめとけ!」と言いますね。
百歩譲って、生命保険目的や将来の年金目的ならいいかもしれませんが、別に新築ワンルームじゃなくて良いよ!と別のアドバイスをするかもしれないですね・・・
次に、2つ目「利益たっぷり乗っている中古ワンルームマンションを買う事」について解説します。
失敗事例2 利益たっぷり乗っている中古ワンルームマンションを「投資目的」購入した
新築ワンルーム投資に似ているところがありますが、結局のところ購入価格がポイントになります。
新築はダメで、中古はOKなんて、そんな簡単にはいきません。中古物件だとしても買ってはいけない物件もたくさんあります。
新築ワンルームマンションより、確実に儲からないわけではありませんが、あまり買っても意味なかったね!というケースが多いです。大損はしませんが、IRR2%未満くらいの投資になることが多く、結局それなら株式投資や同じ不動産系の投資であるREITや不動産クラウドファンディングで良かったんじゃないってなるのです。
REITとは投資法人が投資家から資金を集めて複数の不動産に投資し、賃貸収入や不動産の売却利益が配当金として投資家に還元される金融商品のことです。
不動産クラウドファンディングとは『クラウド(群衆)』と『ファンディング(資金調達)』をあわせた造語で、インターネットなどを使って人々に呼びかけお金を集めること。ファンドとは、投資家からお金を集めて運用し、その成果を分配する仕組みのことです。まとめると、不動産クラウドファンディングというのは、不動産や不動産担保ローンを投資対象にしてつくられたファンドという意味で使われています。
新築・中古ワンルームマンション投資にどちらにも共通するのは、投資を売りにしているというより、節税、生命保険代わり、私的年金作りといった副産物を推す点です。
さらに、ここにも注意が必要です。
よくある話で、私的年金作りを目的に買ったのに関わらず、毎月赤字で手放したくても売却価格よりローン残債の方が多く、売りたくても売れず、最終的に自己破産した方もいるので、まずは投資として成り立つのかしっかりと投資分析しましょう。
新築、中古問わずシンプルに安く買って、高く売ることが重要ってことですね!
さらに、不動産投資の場合、空室リスクや家賃下落リスクもあるので、人気エリア、人気の間取りで出来るだけ、空室になってもすぐに埋まることもポイントになります。
では、最後に初心者の方が陥りやすい失敗事例である「300万円以下の築古ワンルームマンションを「年金対策」で購入した」について解説します。
失敗事例3 300万円以下の築古ワンルームマンションを「年金対策」で購入した
不動産を初めて購入する方に多い失敗として、「300万円以下の築古ワンルームマンションを「年金対策」で購入した」事例があります。
初めて購入するから、はじめは高額な物件より、最悪失敗してもなんとかなるだろうという思いから、築年数の古い手頃な物件を現金で購入しているケースをよく見ます。
ここでのポイントは、「年金対策」として購入する場合です。
もし、不動産投資の経験を積むために購入し、自分で賃貸管理や確定申告など、不動産賃貸業の一連の流れを覚えるためであれば、まだいいのですが、すべて不動産会社任せにするのであれば、良い投資とは言えません。
わかりやすいように、図で説明します。
もし、この物件を購入した場合、年間の家賃収入は約10万円です。
※現金で購入した場合で、税引前のキャッシュフローのため、ここから所得税がかかるので、さらに手残り金額は少なくなります。
仮に、30年保有した場合、10万×30年=300万円になります。
図の中には、原状回復費や設備代が一切考慮されていないのです。
ここから、原状回復費や設備代を考慮した場合・・・。
- エアコン交換代 7万円×3回=21万円(耐用年数10年)
- ガス給湯器交換代 10万円×3回=30万円(耐用年数10年)
- ミニキッチン 10万円×1回=10万円(耐用年数30年)
- ユニットバス 60万円×1回=60万円(耐用年数30年)
入退去が発生するたびに、広告費や原状回復費など、都度発生するので、年金対策として購入しても維持費だけでマイナスなってしまうことも十分ありますね。
結果的に、年金対策として購入したにも関わらず、マイナス収支になって、なんでこんな物件を買ってしまったんだと後悔している方をよく見ます。
まとめ
リスクに対して、どこまで対処できるかは人それぞれなので、一概に○○投資はダメとまでは言いませんが、目的(目標)がクリア出来ない投資を失敗とするならば、やっぱりこの3つは『やめとけ!』と言えますね。
- 新築ワンルームマンションを「投資目的」で購入した
- 利益たっぷり乗っている中古ワンルームマンションを「投資目的」購入した
- 300万円以下の築古ワンルームマンションを「年金対策」で購入した
少しでも参考になりましたでしょうか。
これから始める方に少しでも参考になれれば幸いです。
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